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2019.10.10 ブログ
キャッシュフロー計算書について
皆様こんばんは、税理士の津谷です。
バタバタしておりブログが更新できずにいました。
本日はキャッシュフロー計算書について書きたいと思います。
決算書の1つである「キャッシュフロー計算書」は、会計期間中の現金の流れを数値で示した書類です。
簡単にいうと、「会社にどのくらいの現金があるか」ということが分かる書類です。
日常生活に置き換えると、「家計簿」のようなイメージですね。
法令で作成が義務付けられているのは上場企業だけなので、全ての会社が作る必要はありません。
しかし、自社の状況を客観的に把握するためにも、起業初期から作ることを強くおすすめします。
キャッシュフロー計算書では、資金の流れを①「営業活動」②「投資活動」③「財務活動」の3つに分けて表します。
①「営業活動によるキャッシュフロー」
本業によってキャッシュがどれくらい増えたか(減ったか)を示す項目です。
つまり、「儲けたお金」を明らかにしたもの。
この項目の合計がプラスであれば、本業が好調な証拠です。
マイナスの場合は、現金不足といえます。
営業キャッシュフローがマイナスの状態が続いている起業は、
損益計算書上で黒字でも危険な状態かもしれません。
②「投資活動によるキャッシュフロー」
固定資産・株・債権などの取得や売却をした時の流れを示す項目です。
つまり、「使ったお金」を明らかにしたもの。
将来のためにどれだけお金を使ったかが分かります。
営業活動のためには固定資産への投資が必要ですから、
優良企業や成長企業(設備投資ができる余力がある企業)は
マイナスになっているケースが多いです。
プラスの場合は、土地や建物、株式を売却してキャッシュを手にしていると
いうことが分かります。
③「財務活動によるキャッシュフロー」
「借りたお金や返したお金」を表す項目。
株主への配当金支払いや借入金の返済を行った場合はマイナスに、借入金や社債で資金調達を行うとプラスになります。
優良企業の場合はマイナスである場合が多いです。
積極的に成長を目指すために借り入れが増え、プラスとなる成長企業もあります。
この項目を読む際には、営業キャッシュフローや投資キャッシュフローと
合わせて確認するようにしましょう。
フリーキャッシュフローという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
フリーキャッシュフローとは、会社が自由に使える現金のことです。
営業キャッシュフローと投資キャッシュフローの合計額です。
自由に使える資金が多いほど、経営状態が良いといえます。
もし、フリーキャッシュフローがゼロやマイナスであれば、
資金が不足して維持するための資金調達が必要という状態です。
経営改善のためには、営業キャッシュフローを増やす(本業利益を増やす)か、
投資キャッシュフローのマイナス分を小さくする(投資を減らす若しくは処分)必要があります。
まとめとして、、
①営業活動によるキャッシュフローが+になっている事が大前提
本業によりどれだけのキャッシュを生み出しているかどうかです。
営業利益≠営業活動キャッシュフローです。
損益計算書上黒字でもキャッシュフローが-の会社は多いです。
②自社のフリーキャッシュフローの把握
自由に使えるお金を常時把握しておく事で、
設備投資等の意思決定のスピードが増加します。
倒産リスクも一気に減ります。
損益計算書だけを見ていても経営は出来ません。
また、貸借対照表だけ見ていても経営は出来ません。
どれだけ会社が赤字でもキャッシュさえあれば絶対に倒産しません。
キャッシュを残す経営を心掛けましょう。