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2019.9.13 ブログ
消費税の仕組み
皆さまこんにちは、税理士の津谷です。
まもなく消費税率が10%に増税されますね。
軽減税率やインボイスなど色々ネタはありますが
本日はそもそも消費税ってどんな仕組みなのか、を書きたいと思います。
消費税は、特定の物品やサービスに課税する個別消費税とは異なり、消費に広く公平に負担を求める間接税です。
消費税の課税対象は、国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡、貸付け及び役務の提供と外国貨物の引取りです。
この消費税は、生産及び流通のそれぞれの段階で、商品や製品などが販売される都度その販売価格に上乗せされてかかりますが、最終的に税を負担するのは消費者となります。(国税庁ホームページより抜粋)
わけわかんないですね、これだけだと。
まず、青文字の箇所について
個別消費税とは分かりやすい例としては、たばこ税です。特定の物品に対して課税されている個別消費税です。
一般的な消費税はこれとは別で、一定の消費活動に対して一律で課税されるものを言います。
次に、緑文字の箇所について
何に対して消費税がかかるか、
日本の国内で事業を営んでいる個人又は法人が事業としてお金をもらってする商売(物品サービスを含む)が基本的な内容です。
外国貨物の引取りについては割愛します。
この事業としてって所がポイントです。
事業としていない場合は消費税がかかりません。ヤフオク等での個人間売買については消費税が発生しないという事ですね。
最後に、オレンジ文字の箇所ですが、
流通経路のそれぞれの段階でその都度消費税がオンされていきます。
事業者は消費税を預かっているに過ぎず、あくまで負担している人は我々一般消費者です、という意味です。
これを流通別に分かりやすく書くと、、
例)鉄が車へ加工され、車が一般消費者へ届けられるまで、を書きます。
A社:鉄を作る会社
B社:自動車メーカー
C社:自動車販売会社
D:一般消費者
※税率は10%とします。
A社 100万円で鉄鉱石を掘る。税込220万円でB社へ鉄鋼材料を販売
→A社は20万円の消費税を預かっているので20万円を国に納税
B社 A社から税込220万円で鉄鋼材料を購入、税込330万円で自動車をC社へ販売
→B社は30万円の預り消費税と20万円の支払消費税の差額、10万円を国に納税。
C社 B社から税込330万円で自動車を購入。税込550万円で自動車を一般消費者Dへ販売
→C社は50万円の預り消費税と30万円の支払消費税の差額、20万円を国に納税
一般消費者D C社から税込550万円で自動車を購入。
→50万円の消費税は国に支払うのではなく、C社へ支払っている。
上記の赤太字を集計すると、、
A社20万円+B社10万円+C社20万円=50万円
この50万円の出所がどこかと言うと、、
上記の青太字の所です。一般消費者が支払った50万円ですね。
つまり我々が負担した消費税は様々な流通経路を辿って、色々な事業者から国へ支払われている事になります。
これが消費税の基本的な仕組みです。事業者はあくまで一般消費者から預かっている消費税を代理で国へ支払っているだけです。
ここを理解していないとインボイス制度なんてちんぷんかんぷんになってしまうと思います。
つまり最終的に何が言いたいかと言うと、
事業者の皆さん!消費税はあくまで預かっているに過ぎません。
その分を自社の利益と勘違いして使ってしまうと後々納税の時期に苦しくなってしまうという事です。
対策としては毎月の消費税の預り金額から支払金額の差額を概算でも良いので算出し、その分を貯めておくという事です。
会計ソフトがそれくらいの計算なら一瞬で行いますので、顧問税理士さんへ相談してみてください。
最初っからこれを理解していれば消費税なんて怖くない税金です。
以上になります。
またインボイス制度については改めて書きたいと思います。